hana中国足部反射療法 (中国式リフレクソロジー)

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中国の格言に、
「樹枯根先竭,人老脚先衰」
( 木の枯れるときは根の先に渇き、人の老いるときは足が先に衰える)
というのがあります。
人の足を木の根に例えて言ったものです。すなわち木を大きく育てるには根をまもり、人間ならば足が健康の基本となるということです。中国では数千年前から健康維持のために、足を鍛えたり、反射療法を施すことを重要視してきました。

1*中国足部反射療法(中国式リフレクソロジー)とは?

reflexology(リフレクソロジー)とは、reflex=反射とology=〜学があわさった言葉で、直訳すると反射学という意味です。足裏には全身の臓腑器官に対応した人体の縮図ともいえるゾーン(反射区)があり、それを手で刺激することによって自然治癒力を高めて健康を保持したり、弱った部分の機能を調節する効果があります。中国式足部反射療法(中国式リフレクソロジー)は、68カ所の反射区を正確に刺激し、身体の不調なところや、またその原因をチェックすることができる療法で、全身のバランスを整える優れた効果もあります。
「足裏マッサージ」や「足つぼ」というコトバがよく使われています。そのほとんどは、この「リフレクソロジー=反射学」のことを指しているものと思われます。「つぼ」については「4*反射区とツボは違うの?」をご参照ください。

2*中国足部反射療法(中国式リフレクソロジー)の効果は?

身体全体の調子を整えたり、温めたり、安らぎの効果があります。
具体的には、次にあげるとおりです。
★全身の血液循環を促進する(第二の心臓といわれる足裏を刺激することにより、血行を促進し、新陳代謝を向上させます。それにより冷え性が改善されたり、老廃物がスムーズに排泄されます)
★臓腑器官の機能を調整する(人体の臓腑器官をバランスよく調整します。機能が低下しているものに対しては活発化させ、過剰に働きすぎている臓腑器官については、正常に近づける、というバランスをよくする効果があります)
★内分泌系の機能を調整・強化する(ホルモン分泌などの調整を行い、体内の環境を整えます)
★免疫力を高める(血液だけでなく、リンパ液にも作用し、循環を促します。これにより各臓腑器官を活性化させ、免疫力や自然治癒力を高めます)
★リラックス作用(ストレスを解消させ、心地よい眠りへと誘います。副交感神経※が刺激され、肉体的にも精神的にもリラックスできます。そして心地よい睡眠をもたらします)
※副交感神経は体を緊張から解きほぐし、休息させるように働く神経です。また心拍数を下げる、血圧を下げる、消化を促す、排泄を促すといった働きもあります。

3*痛いところは、悪いところ?

人 によって痛みを感じる程度に違いがあったり、誰でも痛みを感じやすいところがありますので、痛みを感じるところ(痛みを感じる反射区に対応する臓腑器官) すべてが臓腑器官の不調なところとは限りません。しかし、痛みを感じるところは血流が悪くなっていることが多く、往々にして乳酸や尿酸などの老廃物がたまっています。リフレクソロジーを行い、適度な強さの刺激を加え、ほぐしていくことによって老廃物を排泄することができます。また、反射区に圧痛やしこ り、色、光沢、外形の変化が現れた場合、自覚症状がない場合でも、ある臓腑器官に病変や滞りが発生しているといえます。

4*反射区とツボは違うの?

反射区とは、足や手、耳など身体の一部に全身の縮図のような形で存在する、臓腑器官を投影反射したゾーンのことです。
ツボ(経穴)とは、東洋医学における全身の経絡(中医学では「気」という概念がありますが、その気というエネルギーが流れる道筋)上にある重要ポイント(反応の強い点)のことです。
ですから、反射区とツボとはまったく違うものです。

5*リフレクソロジーの中国式や英国式って?

近代のリフレクソロジーはアメリカ人が研究したものが元になっており、世界各地へ広まりました。リフレクソロジーの歴史については7*リフレクソロジーの歴史で大変大雑把ではありますが、まとめましたのでご参照ください。重複しますが、簡単にいいますと、古代三大文明(エジプト、インド、中国)で足にマッサージを施し治癒を促していたという記録があります。
ヨーロッパにおいては1582年、ゾーンセラピーに関する本が出版されたことから、反射療法が行われていたことが伺えます。現代リフレクソロジーの祖とい われるウイリアム・フィッツジェラルド医師(現代リフレクソロジーの祖のもう一人はエドウィンバワーズ)は、1917年、アメリカでゾーンセラピーを確立させました。
そして1970年のころ、ドイツのハンネ・マルカート女史はアメリカでリフレクソロジーを学んだということです。
このようにして世界各地で研究が行われ、広まってきました。それぞれに反射区図(フットチャート…反射区に対応する臓腑器官の位置)や施術する手技、そし て、刺激の強さが違います。英国式やドイツ式などの西洋式は主に指の腹を使ってややソフトに刺激します。台湾式は指の腹や関節を使ってやや強く刺激します。圧の強さは台湾式>中国式>英国式ですが、いずれもお客様のご要望にしたがって圧の強さを調節しているサロンが多いようです。中国式の特徴は指の腹や関節、指の先を使って丁寧に一定の圧を保ちながら深いところまでゆっくりと刺激し、排泄に関わる反射区は重要とされているため、最初と最後に刺激をし、老廃物の排出を促します。
中国式足部反射療法の特長は、「イタ気持ちいい」刺激です。中医学では人間のからだを一つの個体として全体的に診てバランスを整えるという「整体観念」と いう考え方をします。「イタ」い刺激は自律神経の交感神経(陽)を刺激して、からだを活発化させます。「気持ちいい」刺激は自律神経の副交感神経(陰)を 刺激して、からだの緊張を解く作用があります。「イタ気持ちいい」ちょうどよい刺激が、からだのバランスを整える理想的な刺激です。

6*中国足部反射療法(中国式リフレクソロジー)の注意事項

さまざまな効果がある中国足部反射療法ですが、以下の方は避けた方がよいといわれています。
1.食後1時間以内の方・・・消化に必要な血液が全身に回ってしまうため、消化不良になる可能性があります。
2.各種出血性疾患の方・・・吐血、喀血、血便、脳内出血など。中国足部反射療法により血行が促進されるため、出血が増大する可能性があります。
3.妊娠5ヶ月未満の方・・・安定期に入ると一部の反射区をのぞき、弱い刺激で受けることができます。
4.飲酒されている方・泥酔状態の方・・・酔いのまわりがひどくなる可能性があります。
5.肺結核活動期の方・・・空気感染する可能性があります。
6.重度の腎臓、心臓、肝臓疾患の方
7.手術後6ヶ月未満の方・・・傷口がふさがっていないので、状態が悪化する可能性があります。
8.38℃以上の高熱のある方
9.てんかんの方
10.がんの方・・・リンパ液の循環がよくなるため転移する可能性があります
11.急性伝染病の方・・・インフルエンザなどの場合、ウイルスが奥まで入る可能性があります。
12.重度の水虫や皮膚病の方・・・皮膚の状態が悪化する場合があります。
13.足に怪我や捻挫のある方・・・炎症がひどくなる場合があります。
その他不明な場合は、医師にご相談の上、中国足部反射療法を受けてください。

9*リフレクソロジーの歴史

*紀元前から行われていた按摩療法
今 から5000年以上前の中国最古の医学書『黄帝内経』には「観趾法」という足裏の変化を望診する方法の記述があります。足裏を診察し、按摩などの方法で治 療を行っていました。また、今から4000年以上前の古代エジプトの壁画(医師の墓)には手や足を刺激している様子を描いたものがあり、当時エジプトでは 手や足をもむ習慣がすでにあったことが伺えます。
*アメリカ人医師がゾーンセラピーを確立
現 代のリフレクソロジーの原型となっているのは、米国人医師ウィリアム・ヘンリー・ホープ・フィッツジェラルド博士(Dr.William Henry Hope Fitzgerald)が確立したゾーンセラピーです。フィッツジェラルド博士は1917年、『Zone Therapy or Relieving Pain at Home』を出版しました。この本は、頭から手や足の先まで縦方向に分けられる10のゾーン理論とともに家庭においてできる止痛法について書かれたもので す。フィッツジェラルド博士のゾーンセラピーをもとに研究を重ね、足裏に全身の反射区があることを発見・解明したのはユーニス・イングハム女史でした。イ ングハム女史は足裏に臓腑・器官を投影した反射区図(フットチャート)を作成し、著書『Stories the Feet Can Tell Thru Reflexology/Stories the Feet Have Told Thru Reflexology』を出版しました。これが近代のリフレクソロジーの誕生といわれています。
*世界各地にひろがる反射療法
イ ングハム女史から教えを受けたベイリー女史はイギリスにリフレクソロジーを紹介しました。ドイツではマルカート女史が足の骨の解剖学的な構造や骨格をもと にして反射区を作成しました。台湾では、1970年代にスイス籍の神父ジョセフ・オイグスター(台湾名:呉若石)神父が自らの足をもんで持病のリウマチに よる膝痛を克服したことで、足裏健康法のブームが起こりました。中国においては、中国国家衛生部(日本でいう厚生労働省)直属機関である中国足部反射区健 康法研究会の理事長 杭雄文氏が中国伝統医学にアメリカゾーンセラピー、西洋式リフレクソロジー、台湾若石式を取り入れて、医学として「反射療法」を確立 しました。中国では反射療法は2000年に国家資格となり、多くの医師が取得して臨床で用いられています。

 

こころとからだのコンシェルジュ
クローバーなおこ